続・避妊(去勢)手術はすべきか?

2014.10.29(Wed)

こんにちは。
最近お客様より「随分丸くなりましたね」と言われている原田です。 


はい。自分でも自覚しております。 


以前はこのブログでもペット業界の批判や問題点を自分なりに咀嚼して書いて来ましたし、
今でも、思わず頭に血が上ってしまう事もたくさん耳にします。

でも、正直、あまり人様の悪口を書くのも気が引けますし、
結局は「自分のところで買ってもらいたいだけでしょう?」なんて取られたり、
そもそも子犬との出会いや育てる事って楽しい事なのに、ネガティブな記事で水を差すのもどうかな・・・

なんて事で、ここ最近は本来のキャラであるおちゃらけ路線でブログなんかも書いております。 


でも、相変わらずお客様からのご相談をお受けしていると、

「ちょっとそれを鵜呑みにされるのはどうかと思いますよ」

なんて事も多のです。


そのひとつが「獣医さんに避妊(去勢)をすすめられたのですがどう思われますか?」というご相談。
この手のご相談は以前から本当に多いですね。


Fotolia_27093402_XS.jpg


という事で5年ほど前に本ブログで 「避妊手術はすべきか?」 という記事を書き、ホームページにも転載しましたが、今回は続編という事でまた少し書きたいと思います。


結論を申しますと、私の見解としては「しなくて良いものなら、しない方が良い」という考えに何ら変化はございません。


その後、さらにたくさんのわんこたちの成長を見てきましたが、やはり早い時期に避妊・去勢をした子たちは、そうでない子たちに比べると、いろんな病気にかかりやすいと言わざろうを得ません。
もう、これは経験則ですね。

でも、ネットを見て回ると相変わらず獣医さん等の「避妊・去勢肯定派」の人達は婦人科系疾患の罹患率が下がるとか、寿命が延びるというデーターが出てるとか、良い事ばかり書いています。

ただ、悪意は無いと思うんですよね。
利害がからんでますし、人は自分の考え方に同調するデーターや論文を盲目的に信じてしまうものですから。
獣医師会などからの情報を信じて「良かれ」と思って飼い主さんにすすめる方が大半だと思います。

飼い主さんも論文やデーターで出てると言われると、私なんかの経験則より信じてしまうのも無理はありません。


しかしですよ。
その論文やデーターというものの出所がよく分からなかったり、あったとしてもメリットを裏付けるものしか見当たらない・・・
人が手を掛ける以上、メリットもデメリットもあるはずなのにです。

という事で、あくまでも営利がからまない、第三者的に検証した論文を見つける事ができましたので、ここにご紹介させていただきます。



◆ニュージャージー州立ラトガーズ大学 准教授 獣医学部門総括教授
 Larry S. Katz PhD(博士)


冒頭に「雄・雌それぞれの避妊/去勢の健康への影響を評価するため、50 件以上の論文を査読し検討しました。」とありますので、それなりに信憑性のある論文だと思います。

 原文はこちら

 日本語訳はこちら


内容については上記リンクをご覧いただくとして、避妊・去勢のメリットとデメリットを抜粋して記載すると、


◆去勢手術のメリット
・小さいリスク(1%未満)ではあるが、精巣ガンのリスクがなくなる。
・ガン以外の前立腺の疾患のリスクが減少する。
・肛門周囲瘻のリスクが減少する。
・糖尿病のリスクが減少する可能性がある。(決定的なデータはなし)

◆去勢手術のデメリット
・1 歳までに去勢を行った場合、骨肉腫(骨のがん)のリスクが著しく増加する。
・心臓の血管肉腫のリスクが1.6 倍に増加する。
・甲状腺機能低下症のリスクが3 倍に増加する。
・進行性の老年性認知症のリスクが増加する。
・肥満のリスクが3 倍に増加する。肥満は、犬の多くの健康上の問題に多く関わっている。
・小さいリスク(0.6%未満)ではあるが、前立腺ガンのリスクが4 倍に増加する。
・小さいリスク(1%未満)ではあるが、尿路系のガンのリスクが2 倍に増加する。
・整形外科上の疾患のリスクが増加する。
・ワクチン接種の副作用のリスクが増加する。


◆避妊手術のメリット
・2 才半までに避妊を行った場合、乳腺腫瘍のリスクが大幅に減少する。乳腺腫瘍は、雌犬に最も多く見られる悪性腫瘍。
・子宮蓄膿症のリスクがほぼなくなる。子宮蓄膿症は、避妊していない雌犬では約23%が発症しており、1%が死亡している。
・肛門周囲瘻のリスクが減少する。
・非常に小さなリスク(0.5%以下)ではあるが、子宮・子宮頸部・卵巣の腫瘍のリスクが減少する。

◆避妊手術のデメリット
・1 歳までに避妊を行った場合、骨肉腫(骨のがん)のリスクが著しく増加する。
・脾臓の血管肉腫のリスクが2.2 倍に増加、心臓の血管肉腫のリスクが5 倍以上に増加する。これはいくつかの犬種では多く見られるガンであり、主要な死因にもなっている。
・甲状腺機能低下症のリスクが3 倍に増加する。
・肥満のリスクが1.6~2 倍に増加する。肥満は犬の多くの健康上の問題に大きく関わっている。
・避妊した雌犬の4〜20%が、避妊に伴う(?)尿失禁を患っている。
・持続的または再発性のある尿路系の感染症のリスクが 3~4 倍に増加する。
・特に思春期の前に避妊した場合は、recessed vulva(?)、膣の皮膚炎、膣炎のリスクが増加する。
・小さなリスク(1%未満)ではあるが、尿路系腫瘍のリスクが2 倍に増加する。
・整形外科上の疾患が増加する。
・ワクチン接種の副作用のリスクが増加する。


主に病気に関する論文なのですが、これを見ても避妊・去勢手術をした方が健康上の危険度は高いと言えるのではないでしょうか?


あとは、ネットなどには「避妊・去勢をしないとサカリが付いた時に性行できないストレスが可哀想」などという記述も見られますが、反面、手術後肥満になる事については「食生活をコントロールすれば良い事」なんて、食欲を抑えるストレスは可哀想じゃないのか?なんて矛盾した内容ですしね。

どちらにしても「人間様の都合」で我慢させるわけなのですから、だったら「自然な姿」でいさせてあげたいですよね。



と、久しぶりに物申す的な記事を書きましたのでちょっと言い過ぎた感もありますが、だからと言って避妊・去勢を全否定するものではありません。
以前にも書きましたように、それぞれメリット、デメリットはありますので、飼い主様の慎重な判断のうえで行ったものについては良い、悪いは判断できませんからね。

病気の観点もありますが、人との共生や妊娠リスクなど、いろんな側面から判断しなければいけない事です。

ただし、いろんな人がいろんな立場で作為的に意見を言われる事はありますし、
それらを鵜呑みにして、後々後悔されるものどうかと思いますので、再度続編として書かせていただきました。



久しぶりにくどくどと書きましたので、ちょっと皆様の反応が気になったりしてます・・・
このブログをご覧になっている皆様にも不快な内容かもしれませんので、下の「拍手」が多かったらまた書こうと思います。 



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